ご無沙汰していました。
気づけば数年ブログをほったらかしでした…。
おかげさまでこの数年で業績もたまってきたので、その紹介をぽつぽつとしていきます。
まず、ジル・ドゥルーズにおけるデモクラシーに関して書きました。
書誌情報は以下のとおりです。
「友愛の政治と来るべき民衆—ドゥルーズとデモクラシー—」、
『〈つながり〉の現代思想—哲学・政治・精神分析—』、松本卓也/山本圭編、
明石書店、2018年、125-157頁。
ドゥルーズ&ガタリ『哲学とは何か』のなかで、
デモクラシーは哲学の「事実上の条件」として肯定的に語られています。
しかし同時に、古代ギリシアであれ近代であれ、
歴史上のデモクラシー国家が対外的には帝国主義的であったと、
デモクラシーは同書で批判もされています。
デモクラシーのこの両義性を手がかりにして、マイノリティの問題や、
「來るべき民衆」の形象にも触れながら、
ドゥルーズにとってデモクラシーがいかなる意味をもつのか、
論じました。
また、今をときめく(?)松本卓也さんや山本圭さんたちとともに作った
この『〈つながり〉の現代思想』という本全体については、
今振り返っても、哲学・政治・精神分析という異なる分野の
若手研究者同士でワイワイ楽しく議論できたのは、
貴重な経験だったと思います。
この本からそうした「若さ」や「熱さ」を感じ取ってもらえたら
うれしいです。